子どもたちと一緒に成長し続ける
『アンパンマン ことばずかん』

Interviewing Developers

たくさんのお子さまやご家族と一緒に、大切な時を重ねてきた『アンパンマン ことばずかん』。2010年の販売開始から、おかげさまで15年を迎えました。お客さまの声に真摯に向き合いながら、発売当初から着実に進化を積み重ねてきたその歩みを、歴代の商品担当者が語ります!
  • 木全若菜

    『アンパンマン ことばずかん』の企画者で、発売時から現在もディレクションを務める3児の母

  • 加茂真吾

    2015年頃より企画に携わり、2017年に『アンパンマン ことばずかんsuperDX』を担当した3児の父

  • 若山博代

    2019年頃より携わり、マイクを使った発語機能を搭載した『アンパンマン ことばずかんPremium』の発案者

  • 島津宙翼

    2020年入社で2023年から携わり、これまでの魅力をたっぷり詰めた『アンパンマン もっと知りたい!ことばずかんPremium & ものしりずかん 大集合セット』の企画者

困難をやりがいで超えていく、
15年のストーリー

木全:

子どもたちの「これ何だろう?」という興味に応えて、自然とことばを学ぶことができる知育玩具をつくろうと企画をスタートしたのは2008年でした。当初はすぐに形にして皆さんにお届けできる予定だったのですが、もっと楽しくしたい、もっと分かりやすく学べるようにしたいとこだわりがいっぱい入ってしまって、予定よりだいぶ遅れて2010年に発売することができました。

加茂:

僕は2010年入社で、『ことばずかん』が登場した年にキャリアをスタートさせました。いろんな玩具をつくっている企業ですが、中でもこの『ことばずかん』は特に評判が良かったのが印象深いですね。

木全:

加茂さんは2015年から担当になって、2017年に『ことばずかんsuperDX』を発売しましたけれど、企画やコンセプトづくりが本当に大変でしたよね。

加茂:

はい、本当に大変でした(笑)。だって、2010年の初代機の時点でお客さまからの評価も満足度も高くて完成されていて。これをどう超えたらいいんだ! って、アイデアも出し尽くして…それでたどり着いたのが「二語文」でした。

木全:

初代機のアンパンマンたちが発することばをマネして覚えるというのも画期的でしたけど、この二語文もとても重要な視点でしたね。

加茂:

子どもの成長段階で言いますと、まず何かことば覚えて発して、その次となるのが二語文です。「あかいクツ」とか「おおきなクルマ」とか、実際に考え始めたら膨大なバリエーションでしたが、複雑になったり分かりにくくなったりしてはいけません。だから、必要なことばを厳選して、楽しく覚えてもらえるようにしようって、最大限気をつかいました。

木全:

二語文あそびも加わったことで、『ことばずかん』の世界や楽しさも大きく広がりました。加茂さんの後に若山さんが担当しましたが、若山さんもたくさんのこだわりや思いを詰めましたね。

若山:

私もどう超えたらいいの? ってたくさん悩みました(笑)。でも加茂さんがいろんなリサーチをして下さっていて、その資料を読み込むとヒントが見えてきたんです。
調査やアンケートの結果を見ると、「楽しく遊びながらことばを覚えてもらえた」とか「ことばの発達が遅いかなと感じていたけれどしゃべれるようになった」とか、良い反響がたくさんあったんです。それなら、もっと“しゃべる”ことをサポートしたいとひらめいて、マイク機能を付けたんです。いろんなことばを聞いて、まねっこして話して、それで楽しくことばを身につけられるという。

加茂:

自分の名前を呼んでもらうなんて、今でこそ当たり前みたいになっていますけど、あの頃は実現できるとは夢にも思わなかった。

木全:

そんな風に、それぞれの担当者が遊び心とかこだわりとかを入れて、進化を重ねてきたんですよね。現在の担当の島津さんも大変ですよね?

島津:

私は2020年の入社時から数年は別の商品を担当していて、『ことばずかん』を担当していた若山さんが悩んだり大変そうにしているのを横目に見ていました。でもすごく前向きでやりがいを持って取り組んでいるのも感じました。いざ自分がその立場になってみて、元々子どもの成長を促すおもちゃを手がけたいという思いもあって、もちろん大変ではありますけれどすごくやりがいを感じています。

加茂:

僕たちもそうだったけれど、すでに完成されている前のものを超えるって本当に難しいよね。

島津:

難しいです。私が担当してからは『アンパンマン もっと知りたい!ことばずかんPremium & ものしりずかん 大集合セット』を発売しました。『Premium』や別シリーズの『ものしりずかん』の3冊も加えて、これまでの魅力をセットにしたんです。『ものしりずかん』は内容をアップデートして内容はとても充実していますが、複雑だったり価格が上がってしまっては意味がありませんので、すべてのバランスを考慮して、お子さんが楽しく学べるセットにすることを第一に考えました。15年分以上の価値が詰まっていると自負しています。

お子さんがことばを覚えるだけでなく、
親子で一緒に楽しむ
貴重な時間をお届けしたい

加茂:

ものづくりについて語るとき、よく“引き算の美学”なんていいますけど、我々には一切ないですね(笑)。木全イズムというか、ギリギリまで粘って粘って、入れたいと思うものをギュウギュウに入れる。

若山:

確かに、ある程度割り切ってスピーディに進めるというよりも、諦めないでとことんこだわって、本当にやりたいこととか、本気で子どもたちに届けたいことをすべて盛り込んでいます。それが15年の歩みとか、約160万台という出荷数に繋がっているのでしょうね。

木全:

最初の発売時から大きな災害やコロナ禍など、社会は大きく変化していますが、ずっと変わらずに『ことばずかん』を手にし続けていただけるのは本当に嬉しいことです。昨年の話なのですが、12月25日に近所のゴミ捨て場に『ことばずかん』の空き箱があったんです。どこかのお子さんが、サンタクロースにもらったのかな? なんて、それを見てすごく嬉しかった。

加茂:

知人の家はもちろん、児童館とか病院にも置いてあったりします。皆さんにとってすごく身近なおもちゃになっていて、「これ僕がつくったんだよ」って自慢しています。

島津:

先日、展示会でいろんなお客さまと触れあうことができて、印象に残ることがいくつかありました。お子さんが『ことばずかん』に触れ出すと楽しくってその場を離れなくなってしまったり、高校生くらいのお子さんを連れた親御さんが「昔これでいっぱい遊んだね〜」と笑いながら「すごい、今はマイクが付いてる!」と驚いていたり。成長やコミュニケーションのきっかけになる商品なのだと、改めて実感することができました。

木全:

親御さんのお子さんに対する想いとか、子どもたちにどうやったら楽しくことばを学んでもらえるかということを、いつも考え続けているからの結果ですよね。私たちつくり手が込めた気持ちは、きっと子どもたちやご家族に伝わっているのでしょう。

加茂:

15年という時間は、ダテではないと思いますよ。常に次の課題を考えて、歴代担当者の強いこだわりはもちろんのこと、これまでに届いた数多くのお客さまの声がたっぷり詰まっています。これは『ことばずかん』ならではの魅力であり強みでもあります。

島津:

そうですよね。だから、お兄ちゃんやお姉ちゃんが使っていて良かったからと、またその下の世代にも選んでいただいて繋がっていくんですね。どんどん新しい価値がプラスされていくから、常に楽しんでいただくことができるんです。

木全:

お子さまがモノには名前があることを知ったり、外の世界に触れるきっかけを提供するだけではなくて、子どもがことばを覚える大切な時期を、親子で一緒に楽しむきっかけにもなっているんですね。それも『ことばずかん』の魅力ですよね。最初は目立つところしか触れられないのに、成長するにつれていろんな細かいところに気がついて触れ出すのを見ていると、本当に嬉しいです。

若山:

自分の名前を呼んでくれたり、しゃべりかけてくれたり、褒めてくれたりすると、子どもたちは本当に嬉しそうで笑顔になります。自らどんどん工夫して遊べるのもいいですよね。たくさん遊んでも、まるで宝の山みたいに次から次へとことばや仕掛けがいっぱい出てきます。突然英単語を発したり、親御さんがビックリするようなことばを知っていたり、毎日発見や驚きがあります。そうやって長く遊んで学んでいただける点も、この商品をオススメしたくなるポイントです。

木全:

いろんなお子さまの素直な反応や親御さんからの声をいただきながら、歴代の担当者が悩み、楽しみ、妥協することなく『ことばずかん』をみんなで一緒に育んできました。これからも子どもたちを想いながら、さらに喜んでいただけるものにしていかなくてはですね。

島津:

その通りです。前を超え続けるという責任はありますが、子どもたちの成長に携われると考えると、前向きにやりがいを感じます。子どもがことばを覚えたりしゃべれるようになる手助けになることはもちろん、木全さんが話したように、家族や仲間との貴重な時間を過ごす一つのきっかけになるものに進化させ続けていこうと思います。

木全:

これからも『アンパンマン ことばずかん』が、お子さまの学びやご家族のコミュニケーションを支える存在であり続けられるよう、20年、50年… そして100年先も愛される商品を目指して開発を続けていきたいと思っています。皆さんもぜひ、これからの『ことばずかん』に期待していてくださいね。

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